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道民教ブログ

道民教のウェブページに付属する教育関係の方々、主に教員の方々の言葉を直接伝えるブログです。ちなみに管理人の羽二重餅は、教員ではありません!

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以前に掲載させていただいた

北海道教育科学研究会ブログ 


こちらの記事に関して、あとがきめいたことを書いていたらものすごく増えたのでこちらに別にして一つの記事にすることにしました。
といいつつ、掲載した記事のあとがきめいた部分もかなり多くなったんですが……。

以前に転載させていただいた、奨学金に関する記事を読んでいろんな記憶がよぎりました。
それと、頂いた言葉に対しての返答も含めて。

私は二度、奨学金を考えて、そしてあきらめたことがあります。
一度目は不登校や引きこもりを経て、高校に通っていたその卒業の近くなった頃。
二度目は、その数年後にとある人に「あなたは、あの人の下で学んでみませんか」
と声を掛けていただいたとき。

二度考え、二度諦めました。

私は自分の将来に自信がありません。
一度目に奨学金を借りて学びたい、と思った頃。
不登校と半ば引きこもり状態を経て、二十歳を過ぎてから高校に通っていた時期の終わりごろは、自分の意志で、大学、という選択肢を思ったことがあります。
教育という分野で、今を悩む子どもたちと係わりたい。学校に通えなくても生きていていいんだよ、と伝えていけるようになってみたい。二十歳過ぎたって、学校に通える。0になった人間関係も、作り直せる。そんなことを、ぼうっと思っていました。

私は自分の体験から知っています。
病むと感覚が変わることを。
今は何も感じない地下鉄の、排水のためのほんの些細な、気にしなければ体感することもないような傾斜が、病んでいたころはスキー場のてっぺんで、転げ落ちそうな30度超の坂の上に立っているような、壁に身を寄せるように歩かなければ転げ落ちそうに感じていたころ。
いろんなところから転がり落ちないようにするのに精いっぱいで、私には外に出ていろんなことにかかわるのに力が回せませんでした。

本当に求めている人は自分から情報を集めてあちらからかかわってくる。
そう、思っていた時期もありました。
でも自分が上記の状態になったがために、求められる側の傲慢だとも思いました。
私は自分が奨学金がために死ななくてもいいような情報を欲しがっていました。
ですが、それを自らあちらこちらに電話をし、足を運んで得て、さらに得た結果を取捨選択して選ぶための力はありませんでした。
精一杯、変なところから転がり落ちないために力を使っていたからでもあり、それに力を注ぎすぎて人と係わること、それは人に尋ね、電話をかけて、足を運び情報を求め、という行動をすることが、私にとって坂を転がり落ちて飛び出してしまいかねないほどの重圧でした。

私は受験をしたことがありません。
中学時代はほぼ通して不登校だったこともあり、受験の情報、それに伴い奨学金制度などの情報を、そのころなにも持ちませんでした。
中学三年のころには、受験、奨学金、などという言葉が教室のクラスメイトの中ででも、家庭の中ででも取り交わされるようになったのでしょうが、私は何も知らず、中学も卒業証書こそもらうもののほぼ中学の学習をしていないに等しいので、進学なんてないものだとまるっきり思っていたので求めることもありませんでした。
さきに記したように精神的に参っていたのと、自分が中学に通っていない事から発生したあきらめ。静かな絶望のようなものから、高校に通うという事に対して私は全く諦めていました。
諦めてしまったものに対して自分から能動的に動く人などそうはいないでしょう。

学校から切断された状態で、でも進学したい、と思った場合。
じゃあ学校と関係を密にすれば? と思うかもしれませんが……。
親としてはできるかもしれません。
でも当事者の子の立場として思えば、私は無理だっただろう、と今でも思います。
なんといっても形式卒業になってしまう中学の卒業証書を受け取ったのも、学校と縁を切りたいがためのものでした。

その後数年がたち、週に二日しかない通信制の高校に通えるようになりました。
その卒業が目に見え始めたころが最初の、進学と奨学金を考えたころでした。
最初に、能動的に進学と奨学金を考えたころです。

今手元にお金がなくても、奨学金とかいろいろあるよ!
とも言われましたが、考えて、やめました。
前述しましたが、私は自分の将来に自信がありません。
就職難であることは自分の周囲、両親や妹を見ていれば嫌というほどわかりました。
有利子の物ばかりである現在、卒業した後で返していける自信がなかったんですね。
22で卒業したとして、その後十年以上返し続けている人も知っていましたし、家にいるのが多い分、だいぶ以前から奨学金が、容赦のないただの借金、教育ローンに成り下がってしまっているような状況について知るにはしっていた、というのもありました。
不登校状態の子どもというものは得てしてテストの結果には何の役にも立たない知識ならけっこう蓄えているものです。
自分の将来になんの期待も無い状況のなかで、10年以上にもわたって返済し続けることもある巨大な借金を背負う事は、とても恐ろしいと感じました。
しかも私は高校を卒業した時点で25歳を超えているのです。
返し終えて40歳か、50歳か、それでも返せればいいほうか、という感覚のほうが先にありました。

私は奨学金を借りるのをやめました。
それは、大学に行って学ぶ、という選択肢も一緒になくなりました。
学ぶことを奨励するお金である、というより、長期の借金というほうが重かった。


その後数年たって、とある人に、「あなたは、あの人の下で学んでみないかい?」と言われました。
それが二度目の奨学金を考えたときでした。
私を見込んでそう声を掛けて下さることは、嬉しかったです。
でも、すぐに脳裏には奨学金、という言葉がよぎりました。
返していけないなぁ、という事に関しては昔さんざん考えたのです。
不登校せず、ひきこもりせず、ストレートで大学に進んでいれば親の援助も頼れたでしょう。
でも今はもう当てにできません。
不景気は両親の収入も歴然と落としました。
私は「奨学金を返していける気がまったくしないので、お誘いは嬉しいのですが残念ですが」
と断りました。

『学びたい』と思った事がありました。
漠然とした学歴の為ではなく、大学に進むことで何がしたいのかも思ったうえで学びたいと、思ったことがありました。
でも『奨学金の現実』と『不登校や引きこもり支援につなげたい』というそんなに稼げる当てのない(つまり返して行ける当ての無い)だろう学んだ結果とを思って、やめました。
数百万の借金をする学びというのは、数百万のそれを返せるだけの稼ぎのある仕事につながる、とならなければとても自分の主義趣向だけで進める道じゃありませんでした。

さらに全体を通して、私がもし奨学金を選んだとした場合。
学校からの継続がない私に選べるのは貸与型、つまり返済の必要なタイプの物でした。
不登校、社会的に引きこもりと経て事項評価を落としている人間にとって
数百万の十数年掛って返す借金を持つことになる、という前提があると。

もそれでもがんばる<<<返せる当てを見据えられない借金怖い

ということになるのは至極当たり前のことかな、という気もします。




それが、私にとっての『奨学金の立ち位置』です。



現在寝そびれた午前三時。
深夜に書き始めるといい事ないんですよねー、と分かっているのですが午前三時になります。
いろいろ書きそびれた気もするけど(逆にいらんことを書きすぎている気もするけど)現在これまで。
皆様おやすみなさいませ。
どうぞお健やかにお過ごしください。


3月4日追記
中学三年時点、そして高校3年時点においては教師も学校も、進学させよう進学させようとさまざま努力しているだろう。
通信の高校に通っていた時代に、そこでお世話になった先生方の昔の話しなんかを聞く機会もけっこうあったが、みな就職か進学か、とにかく進ませるために奔走していた。
本人がまだ迷っていたり仕組みや制度があることをよく知らなくてもその時点においては教師の奔走によって(学校によっては進学率、就職率の数字を上げよと尻を叩かれているのかもしれないが)半ば強制的にでも成らされるもの、という認識がある。
対して、一度学校を離れてしまうと、非常にその情報は少ないように感じる。
学校というのは場所柄的にもそういう情報が集まってくる、集めやすい場所であろうが、そこを離れてしまうと個人の努力でしか見つけられなくなる。
とても散発的で、探しているものの姿も良く見えないのではないか。

そして思うに、中学三年、高校三年、というストレートにその節目にいるときより、いったん道を外れてどうしようかと考えあぐねて、それでもやっぱり学びたい。
そう思った時のほうが学ぶことに対する意識・意欲が強いのではないかと。
更にいうと漫然とした進学ではなく目的意識を持っているかもしれない。

そういう時にこそ奨学金に助けてほしいと思う。
出来るなら給付型、そこが無理でも無利子の貸与。
一回外の世界に出ちゃったからこそ知ってしまった、卒業後に抱える数百万の借金、というものに怯えてあきらめなくてもいいように。
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